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・ パンセミナー「農家とつながるパンづくり」 土蔵さん講演 

パンセミナー「農家とつながるパンづくり」 小麦農家、土蔵さん講演

 

皆さんこんにちは。土蔵です。

先程から、パンの講習会で、技術的なむずかしい話をされていますが、私には何を言っているのかさっぱりわかりません。しゃべることはあまり得意ではありません。農家をやっていると、このような大勢の人の前で話す機会はありません。今日はとても、緊張しています。

普段は、畑に現れるきつねとか鹿のような野生の動物と顔をあわせる程度ですので、今日は緊張して、うまくしゃべることができるかどうかわかりません。でも、短い時間ですので、よろしくお願いします。まず、私の住んでいる本別町を簡単に紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

本別町は北海道の十勝地方にあります。北海道のへそと言われる富良野市の東南にあるのが十勝地方で、本別町は十勝地方の北東部にあります。どこに行ってもすぐに分かってもらえる話をしますと、本別町の北の隣町、足寄町は松山千春の出身地です。本別町の南の隣町、池田町はドリームズ・カム・トゥルーの吉田美和の出身地です。そして、本別町出身の有名人は今は誰もいません。

本別町の特産物は豆、小麦、ビートなどです。ビートというのは砂糖の原料になる作物です。本別町はやはり豆の町で、大豆、小豆、金時豆などいろいろな豆を作っています。

大阪では気温がマイナスになることはないようですが、十勝では明日の朝はマイナス10℃くらいで、最高気温も0℃くらいだそうです。そのうちに、マイナス20℃、30℃の日が続くようになると思います。3月になるまでは気温がプラスになることはまずありません。

私の農場の話をしたいと思います。私の農場は48ヘクタールあります。大阪なので甲子園球場に換算しますと、約13個分になります。フィールドの面積に換算しますと、37個分になります。

 

 

おもに、小麦、ビート、豆類を作っています。豆類はたくさんの品種を作っています。金時豆、小豆、手亡、大豆、黒大豆などです。小豆はむらさきわせ、エリモショウズなどを作っています。

小麦は24ヘクタールくらい作っています。甲子園球場(敷地面積3.85ha6個分くらいになります。作っている小麦の品種は米山シェフにも使っていただいている「きたほなみ」、それから「ゆめちから」、「はるきらり」、「キタノカオリ」の4種類です。おもに強力系の小麦を作っています。

 

 

「はるきらり」は春播き小麦で管理はそれほど難しくはありません。期待されている新品種「ゆめちから」は私が作り始めてからまだ3年しかたっていませんが、栽培法がよくわからないというのが現状です。1年目は雨にも当てずに適期に収穫しましたが、ごく僅かながら穂発芽が発生しました。この程度ならば粉になった段階では影響はないのですが、天気が良くてもごく稀ですが、穂発芽が発生することがわかりました。

今季の十勝地方の収穫時期の天候は非常に悪く、長雨になりました。収穫時期としては最悪の年でした。このような中で雨に当てずに収穫しようと思えば、不眠不休で作業を続けなければなりません。こういうことを理解していない人が非常に多いということが残念でなりません。

品質の悪い「ゆめちから」が出回ると、「ゆめちからというのはこの程度のものか」と思われてしまいます。本別町にはアグリシステムさんに小麦を出荷している67軒の農家仲間がいます。普段から、情報交換しながら、競い合っています。「収穫時期は絶対に作業優先でやらなければだめだ」ということが徹底されていますので、アグリシステムさんに出荷された今年の本別町の「ゆめちから」は自信を持って出せる品質の良いものになっていると思います。

 

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このように「ゆめちから」は大変難しい品種なので、安易な気持ちで作るのはやめてほしいと思います。上手に栽培された「ゆめちから」の粉は素晴らしいものになります。だから、アグリシステムの「ゆめちから」は大丈夫だと思います。

今年からキタノカオリという品種を作り始めました。風味や甘みを出すためにこの品種が必要だと聞きましたが、これがまた非常に難しい品種で、皆が手を出さない理由が1年で良くわかりました。収穫時期に12時間、雨に当っただけでも穂発芽を起こすというくらいシビアな品種です。穂発芽を起こすと規格外の小麦になります。一般の農家が安易に手を出せるような品種ではないと思います。

小麦はタイミングがすべてです。播種から収穫、出荷まですべてタイミングが大事です。ちょっとしたタイミングのズレで1年間の努力がムダになってしまいます。ここは本当にシビアに考えて行かなければなりません。本当に良いものを作って、お客さんとのつながりを求めて行くことが大切なのだと思います。

アグリシステムさんと私の関係について話したいと思います。5年前までは、私もJA出荷の普通の農家でした。今は、小麦は全量、アグリシステムさんに出荷しています。当初は、親にも反対されましたし、回りからも反対されました。「そんなところに出して大丈夫なのか」とよく言われました。もし何かがあっても、以前のような形には絶対戻れないのだという強い覚悟が必要でした。

 

 

アグリシステムさんに出荷することの1番の魅力は、自分で一生懸命作った品質の良い小麦はそのまま品質の良い小麦粉になるということです。以前は品質の良いものも悪いものも同じロットにされ、品質が均一化されました。

二十数年前に大手の製粉工場に行ったとき、「オーストラリアとアルゼンチンの小麦がほとんどで、日本の小麦は数%しか必要ありません」と言われました。実際に、当時は自信を持って出せる小麦ではありませんでした。今は「ゆめちから」、「キタノカオリ」「はるきらり」等いろいろな品種が出てきました。これらの品種の良さを分かってもらうためには、リスクを冒してでもアグリシステムさんと一緒に取り組んで行かなければならないと考えています。以前の通りには戻れないというリスクだけではなく、小麦の乾燥設備やコンバインなどの資金的なリスクもありました。私には2人の男の子がいて、将来は誰かが後を継いでくれると思っています。子供たちに良いものを残すためにも、今は、アグリシステムさんと協力して、しっかりとした基礎を作りたいと考えています。

 

 

本別町にはもう一軒、大きな小麦農家がいます。私の農場は48ヘクタールですが、この方は140ヘクタールです。この方も大変熱心な人で、良いものを作って、アグリシステムさんに納入しようと努力されていますが、今後TPPによって安い小麦が入ってくると、太刀打ちできない部分が出てくるのではないかと思います。

TPPに負けずにやって行くためには、自分達が自信の持てる小麦を作って、いかに実需の人たちとつながりを持ってやって行くことができるかが問題だと思っています。今後もこういう催しには参加させていただいて、話をさせていただきたいと思います。

以上で話を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

 

 

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