「麦の風工房」では、本来の栄養を摂取できるよう、できるだけ小麦丸ごとに近い形で製粉しています。製粉方法は、石臼を用いる「石臼方式」と独自の「麦の風方式」の2種類。
独自のクリーニング技術を用いて原料小麦の硬い外皮の外側を除去することで、えぐみやふすま臭を抑え、ミネラル分が高く、風味の良い内側のふすま、胚芽、アリューロン層を中心に挽いています。従来の一般的な小麦粉を使用した製品に20~30%混入すると、風味を大きく改善します。
オーストリア製の機械を導入。石を一度砕いたものを再度固めて作っているため、製粉しながら自分で研いでくれるために定期的に研ぐ必要がないのです。1時間で200kg前後(最大250kg)の能力はありますが、挽いているうちに熱を持ってくるため、季節によって職人が調整して、大体180〜200kg前後を挽いています。工場スタッフは、挽かれている小麦の音を聴いたり、色を見たり、手で挽き具合を確認しながら、手作業でバルブを微調整しています。
また、石臼で挽いた粉は熱を持つので、部屋の中を冷やし、その空気を吸引して循環させ、石臼の温度を上げないようにしています。
製粉ユニット 瀬戸さん
昔は石臼の熱と室内の気温差により結露が発生し、小麦粉に水分が含まれてしまい、挽いているうちに中でねっとりと小麦粉が固まってきてしまうことがありました。
そうなると、石臼を持ち上げて、中を全て掃除しなくてはいけずに、作業がストップしてしまいました。
今はメンテナンスとして定期的に中を見ることがありますが、それ以降特にトラブルがなく進んでいます。
粉砕製粉という方式です。1号機で少し粗く挽いたものを2号機でさらに製粉しています。
毎年新しい小麦を受け入れるときには少し緊張します。「今年はこういう特徴がある」という前情報はあるのですが、実際に挽いてみると、やはり毎年少しずつ違います。
弊社の粉を使ってくださっているメーカーさんやベーカリーさんは、そうした「違い」を「楽しみ」として受けとってくださる方々。工場見学の際に「それを調整して商品にするのが僕らの仕事」と言ってもらえたり、粉の話が真剣にできるのは嬉しいですね。なるべく、小麦そのものの良さを引き出せるよう、日々努力しています。
小麦粉の原料となる小麦の品質を損なわないよう、倉庫基礎には炭を埋め、特殊セラミックによる抗酸化作用を利用して保管しています。その後、選別・製粉された自社の小麦粉製品はすべて低温保管されており、品質の差別化を図っています。