2025年5月にカミフラノイ農場でバイオダイナミック調合剤づくりを行いました。
アグリシステムからカミフラノイ農場まで約2時間かけて行ってきました。
作業が始まる前にみんなで作業場を囲み、調合剤を作るにあたってのお話を聞きました。
窒素は、地上の生命全体の上に注ぎかけられている不思議な感受性の担い手であるそうです。
水の量が関係していて、正しい量だったら快く感じ、少なすぎであればそれを不快に感じます。
このように窒素はすべての上に一種の感性的な生命をふりそそぎます。
カミフラノイの農場長は「私たちがどれだけこの感受性を持てるか」が重要だとおっしゃっていました。
バイオダイナミック農法についてまだ知識のない私は理解に遅れましたが、とても奥が深く、それだけ調合剤をやる意味を農場長はしっかり理解をしているなと思いました。
「501番 水晶牛角調合剤」
材料は雌牛の角、水晶または石英、長石で作ります。
501番は植物の光新陳代代謝(古い細胞と新しい細胞が入れ替わる現象)の増強、作物の色づき、芳香、風味を良くする、病気や害虫に対する対抗力を高める効果があります。
他にも作物の品質と栄養価の保持、太陽の関係を持っています。
まず、水晶(石英、長石)をすり鉢で粉々にします。粒が残らないようにしっかり腕の力を使って、擦っていきます。
次に厚いガラスを用意します。ガラス同士で擦り合わせて残った粒を取り除き、粒をさらに細かくします。粉は薄力粉のような状態になるようにします。倉庫の中ではガラスが擦れる音が鳴り響いていました。
粉がある程度の量になったら、ボウルの中に粉を入れて水を入れます。水の分量に注意しながら少しずつ入れて粘土状になれば良いです。
そして雌牛の角に詰めたら完成です。
501番は地上部に向けて散布されます。
502番 ノコギリソウ調合剤
材料はノコギリソウの花、雄鹿の膀胱で作ります。
502番は大地に活力を与え元気づける、硫黄やカリウムを植物が利用するのを促す効果があります。
他にも必要な微量要素の吸収を可能にする、金星と関係を持っています。
最初にノコギリソウの花を摘みます。
そして雄鹿の膀胱に詰めていきます。花が乾燥していない場合はそのまま詰めますが、乾燥している場合はぬるま湯をかけてから詰めます。
雄鹿の膀胱の皮は非常に硬く、思っている以上に大量の花を詰めることができます。
最後は麻紐で縛り、日の当たるところに吊るして完成です。
502番は、直接大地に入れず、堆肥の中に入れ、堆肥に力を発揮させます。
ワイナリーに吊るされた502番の調合剤
2つの調合剤を作り終わった後に農場の畑に向かい500番の調合剤を見に行きました。
畑から掘って確認してみましたが、まだいい感じになっていませんでした。
土が発酵しておらず、牛角の中の糞は土っぽくて匂いが少し残っていました。
しかし牛角に白い菌がついているのはいい状態で、物の場所に植えたので上手くいくと良いなと思います。
作るのは簡単かもしれませんが、天気やその地域の気候、土の状態に左右され人は自然の力に抗えないことを改めて実感しました。