「何かが起きても誰かが守ってくれるはず」不確かな未来には不安がつきまといます。気候変動や世界のパワーバランスの変化、時代はすさまじいスピードで動き続けています。明日の食糧を守るのは自分たちの手で。私たちは、人間にとって必要な「穀物」である小麦や米、豆などを、日々の保管管理はもちろん、未来への蓄えとしても考えています。
由仁町にある小麦サイロ、芽室町にある小麦蘇生倉庫では品質の劣化を抑えるため、小麦は玄武岩の埋石や特殊セラミックによる抗酸化作用を利用しています。
保管量:30,000t (小麦)
玄麦の品質を保つのに適した温度帯になっており、床や壁には炭を埋めるなど、抗酸化作用を高めた施設です。
保管量:3,000t(小麦)
保管量:2,000t(豆・選別後、フレコン入り)、7,100t(時期により豆または小麦の原料)
雑穀は管理温度をマイナス15℃から制御できる超低温倉庫(冷凍も可能)で保管します。
低温保管することで品質を保持しています。米は精米せずに籾殻で貯蔵することで長期保管を可能にします。
保管量:3,000t(豆)
丹精込めて選別された製品(一部、製品を除く)は、15℃以下の低温倉庫と5℃以下の冷蔵倉庫で保管されています。北海道は気温が低いというイメージがありますが、夏は30℃以上にもなる日があります。普通倉庫では、温度も上がり品質劣化が進んでしまいます。
1. 煮えが悪くなる(小豆、金時、手亡)
保管(貯蔵)温度が高いほど、ペクチン組成の変化が大きく、水溶性ペクチンが減少し、リン酸可溶性ペクチン、塩酸可溶性ペクチンが増加することが原因の一つといわれております。
2. 餡歩留まりが悪くなる(小豆)
右の表は、温度の違いにおける21ヶ月貯蔵後に見た小豆の餡収率の結果です。5℃及び低温では、約60%の歩留りに対して常温は約45%です。
貯蔵過程における小豆の煮熱量増加の変化(平成9年産)
※北海道立中央農業試験場のデータを参照
3. 油分酸化して味が悪くなる(大豆、黒豆)
大豆類は、油分を多く含む豆類です。油分は温度が高いほど、酸化速度が速くなります。