アグリシステム株式会社

転換期間中有機農産物ってなに?

転換期間中とは何か?

皆さんは、「転換期間中有機農産物」って聞いたことありますか?

それが、今売れずに残ってしまっている・・・ということは知ってますか?

 

ちょっと話は脱線しますが、

オーガニック食品は、ある日農家さんが「今日からもう農薬や化学肥料を使わないようにしよう!」と思った日から、その野菜や穀物を「これはオーガニックです」と言って売れるわけではありません。

 

日本では農林水産省が指定した「有機JAS認証」という規格に基づいて、厳格な管理を一定期間した後に初めて「これはオーガニックです」と謳って販売できます。逆に、有機JAS認証を取得していない場合は「有機」や「オーガニック」と商品に名前をつけることはできないことになっています。(「農薬化学肥料不使用」ならいい、とか色々表示の仕方はありますが・・・)なぜなら、それまで慣行栽培をしていた畑の土には農薬や化学肥料が残留している可能性があり、それらの影響を除去するには移行期間が必要だからです。この移行期間中、農産物には「転換期間中」という注釈がつきます。

 

 

参照:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

 

 

 

もちろん、いろんな考えがあり、いわゆるオーガニック的な栽培をしていても有機JAS認証を取得しない農家さんも一定数います。

突き詰めれば、流通って消費者と生産者の信頼関係。信頼できる農家さんから直接買えるなら、わざわざ規格を設けて、煩雑な資料作成をして認証機関に大金を払う、、、なんて必要はないのかもしれません。

 

そんな中で、アグリシステムでは有機栽培にチャレンジしたい!と考えてくださる農家さんには、有機JAS認証を取得していただいています。年間500件ほどの農家さんから農産物を預かり、メーカーさんなどにそれを供給する役割を担っている弊社では、この認証があることでスムーズな取引が実現しています。もちろん、弊社も認証に基づいて、慣行栽培のものと、オーガニック栽培のものが混ざることがないように、選別や製粉などの工程で厳格な管理を行なっていて、この認証を取得することが現場の管理にも役立っていると言えます。

 

このように「これはオーガニックです!」とお届けするまでには、なが〜い道のりがあり、一定の期間は「有機転換期間中」つまり「オーガニック的管理をし始めましたよ!」という注釈をつけて販売しなければならないのです。

 

 

 

オーガニックで育ててるのに、
完全なオーガニックとして出荷できない!?

具体的に、どれくらいの期間が必要なのか?

 

認証団体は「多年生作物は最初の収穫前3年以上、それ以外の農産物は播種又は植付け前2年以上の間、有機的管理が必要」としています。

 

つまり、、、例えば大豆や小麦を育てる場合、

有機的管理を開始した後タネをまき、1年目と2年目の収穫物は「転換期間中有機農産物」として出荷。3年目でやっと「有機農産物」「オーガニック」としての出荷が叶います。

果物などの多年生植物を育てる場合はさらに1年転換期間が必要です。また、有機的管理開始日から2年経過して播種したものであれば有機として出荷できます。

 

 

この過程はオーガニックにする上で必ず通る道。オーガニックに取り組む農家さんが増えていけばいくほど、この「転換期間中有機農産物」は増えていきます。でも、名称の認知度が低かったり、安定供給もお約束できないこの農産物をあえて使ってくださるメーカーさんが少ないのが現状です。

 

 

 

有機転換期間中有機農産物を買って、
オーガニックに挑戦する農家さんを応援しよう!

現在、弊社では環境再生型農業の推進を目指して、畑のコンサルタントであるフィルドマンがオーガニック農業にチャレンジする農家さんのサポートを行なっています。そして、オーガニックと称する農産物と同じように手をかけて育てた「転換期間中有機農産物」を可能な限りオーガニックに近い金額で農家さんから買い取りますが、認証制度においてはまだ「オーガニック」とは言えないので、メーカーさんのお取り扱いが少ない現状があります。確かに、安定供給は難しい上に、言葉自体の認知度が低いため、消費者へのさらなる商品説明が必要になるので敬遠してしまう…のも理解できます。

 

ですが、「転換期間中有機農産物」を選ぶことは、環境にやさしい農業にチャレンジしようとする農家さんを応援することに直結します!買い物は未来への選択です。お店で「転換期間中」と見かけた時「まだオーガニックじゃないんだ…」とネガティブに受け止めるのではなく、「これからオーガニックにしていくんだ!」とポジティブな未来へのサイン、と思って手に取る方が増えていってほしい、と願います。

 

「転換期間中有機農産物」の背景を知り、より良い未来の選択をみんなでしていきましょう!

 

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