アグリシステム株式会社

もっと、つながる。もっと、広がる。

2025小麦畑ツアーリポート①伊場ファーム(浦幌町)

 

2025年7月7日〜9日にかけて、2025年の小麦畑ツアーが行われました。2日目に訪れた伊場ファーム(浦幌町)、小笠原農園(幕別町)、中川農場(音更町)での様子をリポートします。

 

 

One tableの取り組み

 

One table〜それは対話でつながるコミュニティ。アグリシステムでは育てる人、つくる人、食べる人がつながり、対話を通じてお互いの立場を尊重し、理解し合うことで生まれる、新しい流通や社会のカタチを「One tabel」と定義しています。

小麦ヌーヴォーは、それを体現したイベントとして10年以上前から取り組んでいます。

つくる人であるベーカリーシェフたちが育てる人である農家の畑を訪れ、その年にとれた新麦でパンを作り味わう…。

2025年の解禁日は10月11日。収穫を祝い、新麦を使ったパンが全国のベーカリーに並びます。

 

※小麦ヌーヴォー参加店や参加方法などはこちら

 

小麦ヌーヴォーはなぜ始まったのか?

 

多くのベーカリーで使用されている「小麦粉」はあくまで粉であり、パンを作る原材料。その年の天候によって収穫量や品質が左右される生き物=「農産物であるということ」。それを感じてもらうためにスタートしました。

作り手であるベーカリーシェフやスタッフが十勝の畑を訪れ、そこで小麦畑を見、足を踏み入れ、生産者から直接話を聞く。そうすることで、小麦粉は単なる原材料ではなくなります。

北海道の気候が気になってみたり、使う時に小麦畑を想像したり、焼き上がったパンを見て生産者の顔が浮かんだら…それはきっと特別なパンになることでしょう。

 

私たちは、持続可能な農業を普及し、豊かな食文化を未来に継いでいくために、対話による相互理解を深めることが大切だと考えています

小麦ヌーヴォーを通して、ベーカリーの皆様が心を込めて焼いたパンを手にとった方が、小麦畑から食卓へのつながりを感じていただければと願います。

 

※製粉事業の始まりと小麦ヌーヴォーへの思いは

ストーリー「小麦、はじまりの物語」からどうぞ.

 

ぼくたちと一緒に農業をやってほしい

〜伊場ファーム〜

代表の伊場満広さんと一緒に歩いてライ麦畑へ。上浦幌地区にある伊場さんの畑は山間部に位置し、起伏のある場所。今年のライ麦畑は、昨年はスイートコーンを育てていた場所。スイートコーンは収穫後そのまま刻んで畑にすき込み、有機物として翌年の作物のための土づくりに役立てられます。来年は大豆畑へ。ライ麦の収穫後には刻んで畑にすき込まれます。

この日は30℃を超える真夏日。「北海道がこんなに暑いとは」と参加された皆さんからも驚きの声が。

背丈は低め。カバークロップとして春にクローバーをまいています。十勝の多くの畑では「プラウ」という機械で土をひっくり返すことで土を耕す技術が行われていますが、伊場さんは10年前からプラウは使わず、「ロータリー」という機械で少しだけ土の表面を整えて種をまくスタイルを取っています。

土は多くの微生物が作っているもの。自分はなるべく微生物の暮らしを壊さないようにやっていきたい。微生物の中には嫌気性微生物と好気性微生物がいて、それぞれ適した環境で暮らしています。それをプラウのように天地返ししてしまうと、微生物が適する環境が変わり、死んでしまうと考えています」と伊場さん。

 

トラクターはあまり入らず、微生物の暮らしを壊さない環境を作っています。収穫はコンバインで1時間程度で終わるそう。ダンプで集荷し、そのままアグリシステムへと持ち込まれます。

 

代表の伊場満広さん。開かれた農場を目指し、受け入れも積極的に対応しています。

 

ロブロで小休止

ここで一度ひと休み(何しろ暑い日でした!)

ライ麦を使ったパン「ロブロ」が振舞われました。ライ麦畑でロブロを食べるなんて贅沢!

 

陸稲の畑へ

勾配のある土手を降りると、そこには陸稲が。

水陸両用の「ななつぼし」を数年前から栽培。毎年実験中とのことですが、2025年は5月14日に小麦のドリルを使って種をまき、10月10日前後にコンバインで収穫予定です。「水稲と食べ比べても変わらない印象」とのこと。

 

オーガニックのスイートコーン

オーガニックのスイートコーンは収穫時期を調整できるように栽培し、8月20日頃から9月上旬まで食べることができます。ご希望の方はこちらから購入可能。

 

伊場ファームからのメッセージ

これまでずっと農家のマインドは「どれだけとれたか?」が全てでした。開拓時代からの長い苦難の歴史を考えれば、「とれる」ことこそが価値だったのは言うまでもありません。

 

ですが、その時代を終えた今、量を目指すことは規模拡大の勝負と言っても過言ではありません。それで家族が暮らしていけるのですから、敢えて「有機栽培」「直接販売」「視察受け入れ」など手間がかかることをする必要があるのか。

 

伊場さんは「とれる」を追うことをやめ、「どれだけ価値のあるものを提供できるか、それを伝えられるか」という思考に切り替えました。

 

「農家のマインドを変える難しさはあると思っています。でも今、若い世代の農家が増えて、意識が少しずつ変わってきています。浦幌で僕1人だった有機農家が、2件増えましたし。

世界情勢は不安定で、農業は国の政策や海外の政治事情に左右される職業のひとつです。これから先どんな未来があるのか、予測して対策する。そのことが必要だと思っています。

 

でも、どんな情勢になっても変わらないことがあって、それは

「食べる人がいてくれないと作れない」ということ。

 

だから、食べ物を届けるベーカリーシェフの皆さんが一助になってくれること、つまり「使ってくれること」が一緒に農業をする、ことだと思っています。

もう、「とった、とれない」の基準の限界がきている。だからこそ、ひと摘みにどれだけの価値を乗せられるのか、それを考えて実践しています」。

 

<参加者の声>

福岡で卸食品のECサイトを運営している丸菱ホールディングス。小麦畑ツアーへは昨年代表が参加し、今回はスタッフの足立尚己さんも初参加。北海道初上陸とのこと。

「アグリシステムさんの小麦粉を扱っています。僕らの役割としては、単に物を売るだけでなく、その背景や思いなどの情報もユーザーさんに伝えていくこと。これまで生産者のことは知る機会がなかったので、今回は参加できてとても嬉しいです。」

ライ麦畑と同じくらいの身長! と写真を撮っていました。

 

 

伊場ファーム(浦幌町)120年続く畑作農家

浦幌町字恩根内79番地3

携帯 080-5594-2959(伊場ファーム代表 伊場満広)

 

⚪︎敷地面積:約35ha 

 6haが有機農業。(2ha/スイートコーン、2ha/ライ 

 麦、2ha/大豆※有機転換中)

 ライ麦と大豆がアグリシステムへ。

 https://www.ibafarm.com/

 

 

 

 

 

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