
ツアー2日目の伊場ファームにて
年に1回の北海道小麦畑ツアー
2026年6月29日(月)から3日間、第13回北海道小麦畑ツアーを実施しました。このツアーは、ベーカリーをはじめとした小麦粉を取り扱う方が対象です。実際に小麦畑を見ていただき、生産者さんとともに豊かな食文化を未来へ継いでいくことを目的としています。
今年は全国から26名が参加しました。集まったのは道内外のベーカリーシェフやスタッフに、流通業者や小売店、病院、など業種や年代も様々。ツアーを始めたころは、参加者のほとんどがベーカリーの皆さまでした。しかし、回数を重ねる中で小麦に関わる多様な業種・立場の方々に参加いただけるようになり、ツアーの輪が広がってきました。その広がりに感謝と喜びを感じています。
【今回ご協力いただいた小麦生産者さん】
芽室町:坂東農場
本別町:とくら農場、小島農場、佐藤農場
浦幌町:伊場ファーム
音更町:中川農場
また、十勝で愛され続けているベーカリの満寿屋商店さんにもご協力いただきました。
「こんなに空が広くて、目の前いっぱいに小麦畑が広がっているなんて!」
バスで各生産者さんの小麦畑を訪ねると、車窓いっぱいに広がる小麦畑に釘付け。本州ではなかなか見られない規模の景色ですよね。
「小麦は春に種をまくものと秋にまくものがあります。今大きく育っているのが秋まき小麦の「きたほなみ」や「ゆめちから」です。「春まき小麦も順調に育っています」と、弊社代表取締役社長の伊藤によるバスガイドにも熱が入ります。小麦畑にも入り、各生産者さんの畑の違いやこだわりを教えてもらいました。

参加者の弾ける笑顔が素敵です!
農家さんが育てた小麦から小麦粉ができる
小麦は、ただの「小麦粉の原料」ではありません。
秋に大地にまかれた種たちは、寒さや冷たい雪を乗り越え、太陽に向かってまっすぐ成長していきます。
そして、小麦畑ツアーが行われた6月には大人の腰の高さまで伸び、7月にはあっという間に黄金色に染まります。7月下旬ごろに控えた収穫を心待ちにするかのように、小麦たちはふっくらと実った穂を垂らすのです。

収穫する日の小麦たち
生産者さんは、小麦にたくさんの想いを込めて育ててくださっています。参加者の皆さまには、その「想い」を感じていただけたのではないでしょうか。
小麦に込める想いと現実
ツアー中に印象に残った生産者さんの言葉をお届けします。
伊場ファーム 伊場満広さん
「ライ麦が土を耕し、微生物の活動を活発にしてくれる」
「毎年同じ作物を作りたいとは思っていません。その年によって天気も違うので、その年の、その時の小麦を食べてほしいと思っています。そして、その小麦をベーカリーの皆さまに託しています」

ライ麦畑で最高の笑顔の伊場さん
坂東農場 坂東俊徳さん
「畑をつくる農業をしたいと思っています。そして、土づくりは私たちの体づくりと同じです」
「皆さんには、食文化をつくってほしいです。それが私たちの土づくりと重なった時に、未来の子どもたちの食文化に繋げることができます」

小麦の説明をする坂東さん
中川農場 中川泰一さん
「十勝の未来や農業全体の進化を考えて作物を育てています。そして、食べ物の選択肢を増やしたいです」
「ここまで来るのにたくさんの苦労と経験をしてきました。自分がしていることは周りの農家にすべて提供して、その上に自分なりの伸びしろをつくってほしいという想いでいます」

「愛の麦」畑に立つ中川さん
「土」とともに生きる
畑と真正面から向き合い続けている皆さんに共通していたのは、土にフォーカスして農業に取り組んでいるということでした。
土にも歴史があります。作物をつくり、その土地の土を生み出す。
そして、毎年その土が積み重なり、未来の作物を育てる大地がつくられる。
土蔵さんと小島さん、佐藤さんも土づくりに積極的に取り組まれています。この3人が育てた「きたほなみ」は、アグリシステムの「本別町の石臼挽き地粉」となっています。

土蔵農場「はるきらり」の小麦畑にて
(左から佐藤亘さん、伊藤英拓、小島祐之さん、土蔵信さん)
すべては愛情の循環にある

麦音店の前にある小麦畑で説明してくれる杉山さん
株式会社満寿屋商店代表取締役社長 杉山雅則さん
「パンは人を繋ぐもの」
「満寿屋商店にとって農家さんは欠かせない存在。材料も全て農家さんが作るもの。農家さんがいないと美味しいパンは作れません。じゃあ農家さんのために何ができるのか。それは地産地消を極めることだと考えました」
同じ十勝で、生産者さんとともに食の未来について考えている満寿屋商店。
では、アグリシステムが担う役割とは何だろう。
弊社代表取締役社長 伊藤英拓
「私たちの仕事は、小麦を流通させることではありません。土壌と人を繋ぎ、小麦やパンを介して想いを繋ぎ、愛情を循環させていくことです」
「生産者の現場を見て感じたことを店に戻ってスタッフに伝えたい」
「長年小麦粉を扱ってはいたけれど、小麦畑を見たことがないことに気が付いた」
「”ただ小麦粉を販売する”ということに違和感を感じた」
「大好きな小麦のことをもっと知りたい!」
それぞれがそれぞれの想いをもってひとつの場所に集い、伝え合い、受け取り、感じているという時間は、愛情に溢れているものでした。食の原点をたどる機会や時間がなかなかない今だからこそ、わたしたちはこのような時間を大切に、ツアーを企画しています。
小麦に関わるすべての人とともに歩む
土を育てる人
小麦を育てる人
粉にする人
届ける人
パンを焼く人
食べる人
小麦に携わるすべての人々とともに互いを知り、伝え、受け取ることがわたしたちの未来の食文化へと繋がります。アグリシステムではこのような価値観を「One table」と定義しています。
ツアー参加者の中で、このような言葉を伝えてくださった方がいました。
「初めて小麦畑を見て、初めて生産者さんの想いを知ったけれど、まだ私の職業でできることは何かはっきりとしていない」
はっきりしていなくても、よいのではないでしょうか。
それよりも、知ることそのものに意味がある。
知り続けること。伝え続けること。受け取り、考え続けること。
きっと、その対話が未来に繋がるのだと思います。
ご参加いただいた皆さま、生産者の皆さま、そして関わってくださったすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
今回の小麦畑ツアー3日間の様子は、アグリシステム公式Instagramにも掲載しています。
今回の取材・撮影・執筆
広報企画室 小林澄玲
(一部撮影:生野)
北海道オーガニックヴィレッジ
北海道小麦ヌーヴォー
オーガニックパン工房「風土火水」
自然食品店「ナチュラル・ココ」
バイオダイナミックファーム トカプチ
食料備蓄株式会社
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